- ブーツフィッティング おまけの読み物 -

おまけのページです。スキーブーツに関するお話を気まぐれにUPしていきます。

その9 五本指ソックス使ってますか

スキー業界に身を置く者としては有るまじき事ですが、実を言うと私はスキー用のソックスを持っていません。スキーをするときも帰ってきてからも、よくディスカウントショップで売っている5足498円のたぐいの靴下の愛好者なのです。無地で丈もブーツトップギリギリぐらいで別に厚くもなんともなくて特に保温性や速乾性がいいわけでもない、ワゴンに山積みになって売られているあの靴下です。


だってスキー用の靴下って高いんだもん。

いちいち履き替えるの面倒なんだもん。

ハイソックスじゃなくていいんだもん。

厚くなくてもいいんだもん。

左右のペア気にしなくてもいいんだもん。

穴があいたら片方ずつ捨ててって別のペア作ればいいんだもん。

片方行方不明になっても損失少ないもん。


今時アルペンスキー用に冬山登山で使うような厚さの靴下を履いている人はいないと思いますが、いわゆるスポーツソックスのような足裏がパイル地になっているタイプでも私には厚すぎると感じることが多いのです。これはスキーをするときに限らず、運動したり歩き回ったりするときも同様です。

少し厚めの靴下を使っている方は、一度もう少し薄手の物も試してみると色々と楽になることがあるかもしれませんし、普段運動するときもそれほど厚くない靴下を使っても痛くない疲れにくい靴を探すと、足にあったいい靴の見分け方がわかってくるということもあるのではないでしょうか。


「でも薄くなると足が冷たくなるじゃん。」

と思った方、それは至極真っ当な意見です。ところがスキーブーツのようにスペースのない所に足を突っ込んで、尚且つバックルで締めるということをするとちょっと事情が異なることもでてくるのですね。靴下が分厚いとその分スペースが無くなるからきつくなります。靴下が厚いと感覚が鈍くなって無用に強くバックルを締めたくもなるものです。

もちろん足が冷たくなりやすい方は体質的なものもあるでしょう。しかし足が冷たいと嘆く方はバックルを締めすぎていることも多いのです。

ブーツのバックルはそもそも足を締め付けるためのものではありません。ブーツの強度を保つために締めるものです。スピードを出して滑るときに強めに締めるのはその為です。そのかわり強く締めることをしたのならば、リフトに乗っているときなどは緩めることも必要です。ずーっと強く締めていたらそりゃー冷たくもなりますし、痺れますし、感覚もなくなります。

足型よりもボリュームのある緩めのブーツを履いている方、思い当たるフシがありませんか。さらにサイズの大きいブーツを履いて靴下二枚履きなんてことをしたらわざわざ血行を悪くすることをしているようなもので、冷たくなるか痺れるのは目に見えています。


逆にタイトなブーツを履いていて足が冷たくなる方はブーツのフィッティングがうまくいっていなくて太い血管が通るところを圧迫している可能性があります。

フレックスがあるタイプのカスタムインソールの効果のうち、意外と語られることの少ないものに「ポンプのように土踏まずを刺激して血行をよくする」というのがあります。そこに太い大事な血管が通っているのですね。インソールがある程度しなったり戻ったりすることで文字どうりポンプのように血液を送りやすくするわけです。パワーに比して硬すぎるインソールを使うことをお奨めしないのは、疲れやすいからというだけではなくてそんな理由もあってのことです。

体と目的にあった適切なサイズとボリュームのブーツに適切なフィッティングとインソール。この快適さをもっと多くの人に知ってほしいものです。寒さなんて全然へっちゃら、とまでは言いませんが結構いけちゃいます(少なくとも栂池では)。

とりあえず靴下にお金を掛ける前にそっちのほうにまずお金を掛けましょう。


ただしここまでの話は「濡れない」ということが大前提です。水が入ってきたりして濡れてしまったら圧倒的にお値段の高い靴下の勝ちです。


ところで、五本指ソックスの話です。よく謳われているように指をそれぞれ動かしやすいことから生まれる様々な効果は確かにその通りでしょう。日常的に五本指ソックスを履くことで足がスマートになるのではという話もわかります。しかし五本指ソックスを履くことでスペースがなくなり指を動かすこと自体ができなくなったり、窮屈になったり圧迫を受けたりしたら元も子もないですよねえ。元々そんなにスペースのないスキーブーツでは有りがちな話ではありませんか。

まあ、その分シェルを広げるなどの加工をすればいいのでしょうけど、そこまでして・・・、と5足498円派のワタクシは思ったりするわけです、ハイ。

ま、世の中にはこんな人もいるということで。


(おまけその9 おわり)