第一章「酒の勢い」

つがいけサイクル2003

一昨年の秋、飲んだ勢いで「つがいけサイクルに出る!」

 

と言ったのがことの始まり。

 

学生時代に使っていた自転車を倉庫から出し、

 

整備して出場したものの結果に納得いかず

 

「これは自転車のせいだ!」と子供のような言い訳。

 

足を運んだ自転車屋で「SCOTT USA」と運命的な出会い、、、そして購入、、、。

 

昨年の雪辱をはらすべく雪解けと同時に練習開始!その結果やいかに?

私のグループ「C組31歳〜35歳」は最終組のスタート。

今回は自転車雑誌「サイクルスポーツ」の草野さん

(「九十九折だよ人生は」のレポーターで毎月全国各地のヒルクライムに参加している方)も同じクラス。

サイクルスポーツのカラフルなウェアーを着ているのですぐに分かった。

スタート直後に約10%の勾配が続くのが「つがいけ」の特徴。

ここで力を使ってしまうと後半もたなくなってしまうので、ひたすら自分のペースを守る。それにしてもきつい。

10分ほど走ると目の前が開け、栂池高原の全景が目に飛び込んでくる。

栂池高原の旅館街に入るとやや平坦な区間になるので集団の後ろにつき、給水しながらできるだけ足を休ませる。

この辺りは地元の方々の応援がにぎやかで、ツールドフランスの山岳区間を走っている気分になる。

にぎやかな応援区間が終わりスキー場の林道(スタートから約5.5km地点)からいよいよ本格的な山岳コースに入る。

「道幅が狭い!」という人もいるが実際ツールドフランスでも栂池のように道幅が狭いコースもあるので、これはこれで良いと思う。

林道に入るまでに集団がバラけるので選手を抜くときも気にならない。

中盤は約7%の勾配が続き、ペースを保つためにひたすら我慢との戦い。

残り3q地点はスキー場の最上部で、酸素が薄くなり自分の脚が限界に近づいていることがはっきりと分かる。

スポーツに「根性」なんて言葉を使うのは古いと思っていたが、この辺りはまさに「根性」でペダルを踏むしかない。

すでにゴールした実業団の選手が下山しながら応援してくれる。

足が震える、、感覚がなくなりそう、、そしてようやくゴール!

タイム1時間17分10秒!

去年のタイムを12分以上縮めたのでとりあえず合格としよう。これって自転車のおかげ?

レース中は「こんなつらいレース、2度と出るか!」と思っていたのに、

ゴールすると「また来年も頑張ろう!」と思ってしまうのが栂池サイクルの不思議なところ。

来年は1時間15分を目標に!


第二章 「宿敵との戦い」

つがいけサイクル2004

毎年つがいけサイクルに参戦している東京のSさん。

 

昨年、一昨年と完敗している。

 

「そろそろ勝たねばならない」と気合を入れて練習に励み

 

減量にも気をつかった。

 

大好きなビールも控えめに、、、

 

むかえた自身3回目のつがいけサイクル

当日はこの時期にしてはめずらしいほどの冷え込み。

スタート地点にに到着すると、いつもの事ながらすごい熱気。

間もなく実業団の選手が3組に分かれてスタート、信じられないスピードで坂を登っていく。

続いて一般の選手が各クラスごとスタートしていく。

気温が低い為か、いきなりハイペースでレースが始まった。スタート直後の急勾配をいつもより速いペースで通過。

オーバーペースが心配だが、単独になるより集団にいた方が楽だと判断した。

「つがいけ」の特徴はスタート直後の急勾配で、力があるうちに一気に登ってしまうほうが楽だと思う。

旅館街の平地で足を休めようとするつもりが「ガンバって〜!」の地元の応援に、ついペダルを踏んでしまう。

地元の私が言うのも変だがこの栂池の街中を走るときの応援はすばらしいと思う。

気分はすっかりツール・ド・フランスの選手だ!

5kmほど走ると道幅が狭くなり、結構凸凹しているので気が抜けない。

走っていて気が付いたが、今年はなんだか足がよくまわる(動く)。禁酒の効果か?

「残り5KM」の看板が見える。ここからが勝負。

タイム1時間14分40秒

そして「宿敵」Sさんにも初勝利!

久しぶりのビールが美味かった。


第三章 「過信」

つがいけサイクル2005

「もしかして、実はもっといけるんじゃないか?」

 

自画自賛を得意とする私の性格が、スタート直前に余計な事を語りかける。

 

「そうだ!きっと、もっと早く走れるんだ」

 

手遅れだった、そんなはずは無いと我にかえるべきだった。

 

でも、それに気が付けずスタートしてしまった。

もしかしたらもっと早く走れるのではないか?という勝手な想像と期待を胸にスタート。

スタート直後からのハイペース(勿論私にとっては!の話)に我を失い、明らかなオーバーペース。

5kmも走らないうちに「もう駄目、リタイヤ!」と感じるほど戦意喪失状態に。

「パンクしてくれ!そうすればリタイヤできる。皆にも言い訳できる」

とうとうそんなことまで考え出す始末、、、。

情けない、、、。

気合を入れ直し一人ずつ前の選手を抜いていくが、残り3kmでついに足が動かなくなってしまう。

これがおもしろいほど、動かない。動けない。とまりそう。

「だよな〜、そんなに早く走れる訳ないよな〜」と今さら後悔しても始まらない。

鼻水を拭く力も無く、プルプル震えながら無様な姿でなんとかゴール。

タイム1時間13分58秒

記録更新(少しだけど)

宿敵Sさんにも昨年に引き続き勝利。

年に一度自転車で勝負をする、それだけの事なのだがそれが楽しくてやめられない。

それが自転車のおもしろいところ。


第四章 「記録更新」

つがいけサイクル2006

私にとって5回目のチャレンジとなった「つがいけサイクル」

 

毎年、前年度のタイムを更新し続け、今年はいよいよ13分切りに挑戦

 

会議の多いこの時期=飲み会も多く

 

レース前に少しでも体重を減らさなければならない私には辛い日々だ。

 

ビールも控えめにし、ホルモンは匂いだけ、、、

 

でも気が付けば片手にビールが

今回が5回目の参加で、毎年必ず前年の記録を更新している。

おそいなりにも頑張っているのだ。

ただ記録を更新するにはそれなりに努力をしなければならない。

新たな取り組みや、工夫もしなければならない。

でもネタがつきた。

「しょうがない、今年はボトルの水を最小限にしよう」

気分は片道の燃料しか積まないで出撃した「神風特攻隊」だ。

いざ!出撃!

冷静に考えれば、何故こんなことを考えたのだろうと思う。

でもそのときは一生懸命だったのだ。

他に何もアイデアが浮かばなかったのだから、しょうがないと言えばしょうがない。

タイム1時間12分32秒

またまた記録更新

嬉しいけど、これ以上いけるかな?と体は正直に感じていた。


第五章 「迫り来る恐怖」

つがいけサイクル2007

毎年戦っている東京のSさんと仲間達

 

年に一度、ここ「つがいけ」でタイムを競い合う

 

いつしか勝つことが当たり前になり、自分自身との戦いだと油断していた。

 

あまかった、Sさん達は自分よりもっと努力して、もっと考えて

 

このレースに参戦しているのだ。

 

終わってみれば「30秒差」

 

すぐうしろまでSさんは迫っていた。

新車購入

今まで使用していた自転車に別れを告げ、同じスコットの自転車を購入。

自分のサイズに合わせるのに時間がかかり、どうもしっくりこない。

今までのことを色々と思い出し、フォームを変えたり、走り方を変えたり。

大会当日に何とか調子を合わせ、挑んだ「つがいけサイクル2007」

相変わらず実業団の選手は迫力があるし、見ていて勉強になる。

あれだけ早く走れるのだから、いつの日か「ツールドフランス」に日本人選手が!と期待してしまう。

さて、レースはと言うと山の上部は霧がかかっている。

今年も東京からSさんが仲間を引き連れて参戦。

ここ数年は私が勝ち続けているので、今年も勝つ事が当たり前のような気持ちだった。

聞けば「自転車通勤を始めた」とか本職のトライアスロンやマラソン大会にも出場していると言う。

私だってつい数週間前に佐渡ロングライドに参加してきたんだ。

今年も楽勝!と思っていた。でも油断していた訳ではない、Sさん達が努力してきたのだ。

2分前にスタートしたSさんに追いつかない、いや、追いつけないのが正直なところ。

気持ちがあせる、ペースが乱れる。

そうこうしているうちにゴール

タイム1時間12分34秒

あ〜やっちゃった〜ヘタこいた〜

ついに前年度の記録を更新することができなかった。しかもたったの2秒。

それよりSさんは?と周りを見渡すとやはり既にゴールしていた。

2分以上私が遅くゴールしていると、私の負け。

聞くと微妙な感じで私がゴールしたらしい、、、。

おそるおそる公式記録をみると、わずか、、、30秒、、、私が勝っていた、、、

あぶなかった、、、辛勝とはいえ、、、迫り来る、、、恐怖、、、


第六章 「言い訳」

つがいけサイクル2008

 

今年は天候に恵まれた4月、残雪が多く山に登れなかった。

ようやく雪が消えコースが開通した5月、今度は寒い日が続き山に登れなかった。

しょうがないので体重を落とすことばかり考え、休み時間を使い、ゆっくり平地を走る練習ばかり。

それでも作戦は考えていた。今年は前半を抑えていこうと。

レースは作戦通りに始まった。

前半の急勾配を焦らず、マイペースで淡々とはしる。

中間タイムもいつもより若干遅いが、「これは作戦!」と心に呟く。

残り5kmでペースを上げ、後半にアタックする、ことが作戦だった。

しかし!

残り3kmの栂の森で3分前にスタートしたライバルのS氏に追いつくも

「先にいけ!」

の声に反応出来ない、と言うよりこのペースすら維持出来ない。

ズルズルと後退。

気が付けば追いついたはずのS氏の姿すら見えなくなり、

生まれたての子馬のような足

ゴールすればタイムはワースト2の、1時間18分16秒

自分の不甲斐無い成績に、ヤケ酒の夜でした。


第七章 「敗北」

つがいけサイクル2009

 

昨年の今頃、宿敵Sさんから「来年は敗北のページを作らせてやるよ」

そう言われたのを思い出した。そして宣言通りの敗北。

敗因は何か?ズバリ「飲みすぎ」

どうせなら大会前日も、ケチってレギュラー(発泡酒)なんか飲まずに

ハイオク(生ビール)にしておけば良かった。

大会が近づくにつれ心に「禁酒」を誓うものの、気が付けば「プシュー」と勝手に手が動く。

でも、負けは負け。

自分に気合を入れ直す為に、ロングライドを企画し決行!

栂池をスタートし、白馬から白沢峠を越え鬼無里村〜大望峠を越え戸隠へ

そのまま越水ヶ原峠を越え信濃町は野尻湖へ向かう。

ここで捕食を買う為にコンビニへ立ち寄った。

おにぎりを購入して外に出ると、私の自転車をジロジロ見ている人が、、、

どこかで見た事のある人?と思ったら、雑誌「サイクルスポーツ」の岩田編集長じゃないですか?

聞くと昨日、東京〜上越まで300km走破したそうで、その帰りだとか。

こんな出会いがあるんだ〜と感心しながら野尻湖を一周し、帰路へ。

帰りはそのまま来た道を帰るだけ。

クタクタになりながらようやく家に着き、シャワーを浴びようと脱衣所へ

パンツを脱いだ次の瞬間!

ウーとサイレンが鳴り響き「火災速報!各分団は出動せよ!」

疲れた足を引きずりながら、消防自動車に乗り込み、いざ出動!

偶然は重なるものだ

総走行距離155km、7時間30分。きつかったー

来年のリベンジを誓い、とりあえず乾杯! また飲んじゃった、、、。

つがいけサイクル 記録1時間15分36秒9

乗鞍マウンテンサイクル  佐渡ロングライド   つがいけサイクルクラシック2010