第16回『若月賞』受賞者のご紹介



本田 徹 氏
(ほんだ とおる)
医 師
特定非営利活動法人
SHARE=国際保健協力市民の会・代表理事

《表彰理由》
 氏は卒後まもなくの1977年、青年海外協力隊の一員としてアフリカのチュニジアに派遣され、途上国の厳しい医療の現実に直面した。携帯した若月先生の「村で病気とたたかう」に感動し、1979年帰国と同時に佐久総合病院に勤務した。若月先生の指導のもと4年間農村医療に従事しながら、専門臨床の面では消化器内科の土台を築いた。1983年東京・日産玉川病院に転勤、日本国際ボランティアセンター(JVC)に出会い、この組織内に海外援助活動医療部会としてシェアを発足させた。シェアとは英語で「分かち合う」ことを意味し、それをロゴにして「市民による協力」をうたっている。最初は協力隊のOB、OG5〜6名や一般市民のボランティアでスタート。85年にエチオピアの旱魃・飢餓問題が起き、現地においてJVC・SHARE共同で1年間バラックの病院を運営し、5万人の診療を行った。これを契機にシェアの活動を本格化させた。1988年からカンボジアで母子保健活動を開始。92年からは同国農村地域に医師、看護師、地域保健専門家などを派遣し、郡レベルでの保健システムの構築や保健人材育成・伝統的産婆などのトレーニングに取り組んだ。90年からタイに看護師らを派遣し、下痢予防のための保健教育、人々の健康に関する意識・生活改善などの活動を展開した。99年から東ティモールでも活動を開始し、診療支援などの緊急救援活動、医療スタッフを派遣し地域保健活動を行い、とくに2003年以降保健教育の教材開発・保健教育普及員の養成に力を入れている。近年はタイの東北部でHIV/AIDSとともに生きる地域づくりの活動、カンボジアにおける母子保健およびHIV/AIDS予防啓発活動、南アフリカでのHIV/AIDS陽性者支援、また国内においては在日外国人の医療相談、AIDS相談などの活動、東京・山谷地区や新宿地域などでも、医療に手の届かないホームレスの人たちへのボランティア医療支援を行っている。


昭和22(1947)年生まれ、北海道大学医学部卒業。
市立小樽病院、釧路赤十字病院、青年海外協力隊員(チュニジア)、佐久総合病院、
日産厚生会玉川病院、タイ国マヒドン大学留学、港町診療所を経て、
7年3月まで堀切中央病院理事長・院長。 
特定非営利活動法人 シェア(SHARE)=国際保健協力市民の会・代表理事

受賞
2001年 大山健康財団大山激励賞(本田徹)
1997年 第49回保健文化賞(第一生命保険相互会社主催、SHAREへの授賞)


《主要著作》
・「文明の十字路から」(連合出版、1981年)
・編著「JVCアジバール病院―エチオピア緊急医療救援報告」(連合出版、1986年)
・共著「小規模社会開発プロジェクト評価」(国際開発ジャーナル社、1995年)
・共著「なぜ医師たちは行くのか?国際医療ボランティアガイド」(羊土社、2003年)
・編著「アジア旅行者のための感染症対策」(連合出版、2003年)
・2001年日本委員会懸賞論文受賞作「NPOの展望と課題」(2003年)
・「アルマ・アタ宣言から25年ープライマリ・ヘルス・ケアが問う途上国の医療・日本の医療」
 (シェア国際協力お役立ち本、2005年)
・「Global Standardの視点からの医療:国際医療保健NGO:SHAREの活動について」
 (南山堂「治療」2001年9月号)
・「養老孟司さんの頭の中のバカの壁
  −ホームレスは働かなくても食える存在という神話を問う」(シェルタレス2003年冬号)