4月7日(金) Stage No4._80km 続き

空一面に輝く星と、彼方の稜線。そしてヘッドライトの照らし出す わずかな地面と約1kmおきにあるコースを示す夜光スティック。 それを頼りに真っ暗な闇の中を一人で走る。
チェックポイントの明かりから離れるに連れ、恐怖感が募る。

ふと、”アフリカ大陸=ライオン・チーターなど獰猛な野生動物。 襲われたら勝ち目が無い。”単純な発想のお陰で更に恐怖感が募る。 こんな所で食われてたまるかと懸命に走る。 人間切羽詰まれば出来るもんだ。見る見るスピードが上がる。

右前方にオレンジの光。本部の巡回ジープが行く。 C5到着。暖かいミントティーを貰い体を温める。

夜の砂漠は非常に寒い。日本と比べ湿度が低い為、水分の蒸発が早い。 日中は汗がすぐ乾くので重宝するが、夜はそれが災いとなる。 汗が乾く時の気化熱で体温を奪い取られ、外気温以上に寒い思いをする。

寒さに絶えれず持ているもの全てを着込むが、凍死しそうなくらい寒い。
もう寝袋しかないと思ったその時、本部から支給されたサバイバルシート を思い出した。ペラペラに薄いアルミ箔のようなシートが ポケットティッシュぐらいの大きさに畳まれていた。
「こんな物役に立つのか?」という疑問いっぱい。でも、藁をもつかむ状況。 とりあえず広げてまとう。今までの寒さが嘘のよう。とっても暖かい。 はじめからこれを使えば良かった。「これを作った人はすごい。」感謝感謝。

命の危機を脱し、急に空腹感を覚えチョコレートもを貪り食う。美味い。 (昼間どろどろに溶けていたチョコレートもかちかちに固まっている。) 空には無数の星。(「星の王子さま」を書いたサン=テグジュペリも こんな景色を見てたんだろうな....。)

4:00 やっとのことでC6に着く。サバイバルシートにくるまったまま寝る。
5:55 起床。砂漠の朝はとっても寒い。
6:04 日の出 アフリカへ来てはじめて見る地平線からの日の出。最高に感動。

C6で体を休めしばらくくつろぐ。朝食はパスタとスープetc. 日が昇りようやく暖かくなってきた。ついでに洗濯など。 体と心の回復を待ってスタート。また単調な風景が続く。 遠くに砂山。そのふもとにテント村。ゴールだ。 みんなの出迎えに、なんだか心がまあるく暖まった。 全員がゴールして大会役員と選手全員で記念撮影。

この日は、ゴールした者からフリー。
食事・コミュニケーション・洗濯・砂遊び。勿論、休息と治療も。 皆、それぞれのスタイルで1日を過ごす。
サハラの大きな夕日に感動し、残った線香花火を囲んで語り合い、 なんかいいなぁ。

そんな心の中に、夏の終わりや祭りの後に感じる寂しさがあった。
サハラマラソンもあと2日だけとなってしまったんだ。 あと少しでサハラで巡り逢えた人々ともお別れ、この広大なサハラ砂漠ともお別れ。

1995.APR. 3, 4, 5, 6, 7, 8, 9