地域唯一の月刊総合郷土誌として48年
   二十一世紀の新たな発展を期して

  月刊郷土誌『伊那路』

                          上伊那郷土研究会                      Kamiina Local Society

◎本誌の由来
 多くの会員にご愛読いただいております地方史研究の月刊郷土誌『伊那路』は昭和32年に、伊藤泰輔先生(元上伊那図書館長)が中心となり、「上伊那誌」の編纂委員とともに郷土の学芸・文化の進展を念願して発行されました。
 爾来48年にわたって中断することなく、この5月で580号を迎えました。
 この間の,地域文化の発展に貢献し続け、その後刊行された各市町村誌の原典となり、郷土史の百科事典的な役割を果たしております。

☆郷土誌『伊那路』の灯を明るく、さらに豊かに!

◎本誌の特色
 ・会員の協力と、委員のボランティアによって刊行されている月刊郷土誌
 ・上伊那を中心とした郡内外の自然・歴史・考古・民俗・地理・芸術・芸能・
  人物・古文書・時評等多面的な内容で編集
 ・身近で親しみやすく、豊かな内容により、地域をより深く知る総合学芸誌
  気軽に寄稿でき、会員相互の学究的な交流が図られる
                              

上伊那郷土研究会    会費年5,000円
  〒396−0021  長野県伊那市伊那7799−2
                      会長 伊藤一夫
                電話・FAX 0265-78-6719 
                E-mailアドレス inazi@valley.ne.jp 

                  
 
  月刊郷土誌『伊那路』目次
         第49巻第5号通算580号 

伊那小屋の建設と登山道の改修@                 春日 博人
信州伊那の長谷村に中尾歌舞伎あり                久保田 誼
「気」で村おこし 長谷村の気の里構想               飯野雄一郎
丸丁池上家文書に見る御触について                長谷川正次
印刻「般若心経」                             桜井   武
【上伊那の野外彫刻】17すこやか                  吉沢 正昭
【文化短信】井澤家住宅復元                     堀田 澄子
【古文書の窓】貨幣の引き換えを促す回状             竹入 弘元
【外来植物あれこれ】ニオイスミレとニオイタチバナスミレ    山下 正幸

ご入会、ご注文はメールでも結構です。 

【古文書の窓】

   貨幣の引替えを促す回状

〈解読文〉                   〈解読文〉
壱朱金之儀去亥十月相触       壱朱金之儀、去亥十月相触れ
候通当子ノ十月よ里弥通        候通り、当子ノ十月よりいよいよ通
用致間敷候尤遠国其          用致すまじく候、尤も遠国その   
外無拠引替残も可有之         外拠無く引替え残もこれあるべき
やに付停止以後も所持の物      やに付き、停止以後も所持の物
者是迄之引替所江早々差       は、是までの引替所へ早々差し   
出引替可申候若停止          出し引替え申すべく候。若し停止
以後通用致候哉又者貯        以後通用致し候や、又は貯め置き、
置不引替もの於有之ハ吟       引替えざるものこれあるにおいては
味之上急度可申付候          吟味の上急度申し付くべく候。
右之趣可被相触候           右の趣相触れらるべく候。
七月                    七月
右之通従                 右の通り公儀より
公儀御書付出候間在中寺       御書付出候間、在中寺
社共可被相触候以上          社共可被相触れらるべく候。以上
八月                     八月

〈解説〉
伊那市美篶笠原区、「御回状扣帳」天保十一年(一八四〇)の七月の部分公儀(幕府)からの指令を受けた高遠藩から各村々名主へ回状が回ってきた。名主は住民に申し聞かせて回状の趣旨を徹底するとともに、書き留めておく。壱朱金は、昨年十月に相触れた通り、今年十月よりいよいよ通用しなくなる。もし停止以後通用したり、または引替えずに所持すると処罰すると。金貨は改鋳の度に品質が悪くなる。幕府の財政の窮乏をしのぐためにする改鋳だから、金含有率を下げる。一朱金は文政七年(一八二四)に一回だけ発行。品位劣悪と悪評で幕府の信用を落とし、天保十一年に通用停止に追い込まれた。実はこの回状の前には古文字金(注)百両につき十両持ち主に下されるから早々に引替えよといっている。一割もの優遇措置を講じてでも交換させたい幕府。
 注 古文字金 元文元年(一七三六)改鋳の金貨。極印に「文」字があるので文字金という。後の文政金と区別して古を付ける。
                                             竹入弘元