〔ご参考までですが〕
そばの味の決め手は材料の吟味と鮮度と考えています。
「九一(クイチ)そば」の名称を使用した当初は、そばの配合比を意味することも比較的珍しく説得力もありましたが、最近では各所で「八割そば・いや九割だ…つなぎを使わぬ十割」等々といった商品や看板をよく目にします。
ひとくちに、そば粉と言ってもその種類も多く断定的には申せませんが、そば粉の配合比が高いほど時間の経過による変質が顕著で切れやすくなります。つまり(そば粉の配合比が高い)=(おいしいそば)の図式は(新鮮である)の条件が加わって、はじめて成立します。もっとも、そば粉が良質でなければ何の意味もありませんが…。
そば屋としては、そば粉の配合比や製法(石臼挽き等)、また産地である等々を云々する以上に、ごく初歩的なこととも思われる「そばの三たて」=「挽きたて・打ち立て・茹でたて」を厳守することが重要で、おいしさの秘訣と感じています。
なお、蛇足ですが「九一(クイチ)そば」の名称について、もう一つ意味することがありますが、自戒の意味合いが強いので割愛させていただきます。
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