ジュピター製作例
'99.02.04



<はじめに>

 1998年春、(株)SPAよりNIFTY/FGP経由でジュピターのモニターをする機会を得たのだが、事情があって評価が遅れていた。しかし、最近になって組立て・評価が出来たので報告する。

<参考>


<製作>

 特段難しいことは無いが、TTLレベルの信号をRS232ドライバ/レシーバ(MAX233)を用いてRS232Cの信号に変換するインターフェースを付加するくらいである。今回、MAX233を用いたのは、よく知られたMAX203のリプレイス版で、外付けコンデンサが不要で工作が楽なためである。
 配線は下図を参考に、適宜アレンジしていただければ良いだろう。ケースはタカチYM-115(W115,H20,D80)を用いたが、もうちょっと小さいものでも良い。このサイズなら12V->5Vの電源回路も組み込める。<外観は参考にしたNori-chanの製作例とほぼ同じになる>
 アンテナのコネクタはカーナビに良く使われているものが添付されているが、ケースに取り付けるに当たってネジ止め等ができないので接着剤で止めることになる。実験に使うにはBNCなどに代えたほうが汎用性が高いだろう。
 今回、実験中にNMEA/DGPSの出力/入力状態の有無を知る必要があり、それぞれのDB9の端子に発光ダイオードを100KΩの抵抗を介してグランドに落としている。電気的に問題がありそうでもあるが、とりあえず、信号確認に便利である。




<使い方>

 基本的にはNMEAを出力するGPSと考えれば良い(ロックウエルのバイナリも出力できるが、メーカー出荷時の設定はNMEA)。したがって、パソコンGPSで使うには、入力をNMEAに設定すれば良い。

 なお、接続方法は下記のとおりである。

    • 通常は、DB9(A)(メス)へRS232ストレート・ケーブルでPCのシリアル端子へ接続する。
        PC[COM] <===NMEA/RTCM===> ジュピター[DB9(A)]

    • PCからジュピターにコマンドを送る場合は、DB9(B)(メス)へRS232ストレート・ケーブルを接続して使用する。
        PC[COM] <===NMEA/Command===> ジュピター[DB9(B)]

    • DGPSの信号を入力する場合は、DGPSレシーバをDB9(A)へ接続し、PCへはDB9(B)を使う。(NMEAの出力が分岐するのでちょっと不安)
        DGPSレシーバ <===NMEA/RTCM===> ジュピター[DB9(A)]
        PC[COM] <===NMEA/Command===> ジュピター[DB9(B)]

<使用感>

 12CHパラレルの受信機と言うこともあって、素早く測位がはじまる。GARMIN GPS3外部アンテナ付きに比べても良好、補足できる衛星数も多いように感じられる。
 DGPS補正については(株)DETATECのM51を用い、テストしたが、RTCMを2回ほど受けるとDGPSモードへ移行しスムーズだ。(ただし、M51は$ZDAコマンドで日付・時間情報を入力しないとならない。)
 消費電流が最大210mAと言うことで少々大きいため、パソコンGPSに使うのにはノートPCとは別に電源を用意しなければならないのが難点だが、DGPSにも対応しており、後段に記するがM51を使い、DGPS補正を行いながらパソコンGPSを行うには小型計量で使いやすいだろう。

<その他>

 基盤からの信号を取り出すための中継基盤へのコネクタの半田付けが悪く、信号が途切れるトラブルがあったが、注意深くコネクタの足を半田付けし直すことで復旧した。同様のトラブルがFGPSでも数件報告されており、改善が望まれる。<この件について、(株)SPAによれば、最近では、コネクタ、基板とハーネスを別々にしたものを少し安く販売と言うことなので、これを使うのが良いだろう>
 価格的には1万9千800円であるので、インターフェース、ケースなどで2万円後半の経費になる。最近、IPSシリーズが3万円程度で売られており価格と取り回しではかなわないように思うが、ISPシリーズではDGPSに対応していないので、もし、パソコンGPSでDGPS補正をしたい場合は良い選択だろう。

<DGPSの実験>

●(株)DATATECのM51(FM音声多重放送を使ったDGPS)でDGPS補正を行う。

 M51は日付・時間情報をFMから取得できるはずなのだが、この辺りが私の環境(大阪・梅田近くの固定)では不調なため、ジュピターへ直接接続してDGPSが出来ない。そこで、アルプス社でインターネットによるDGPSサービス(公開実験、’99.2まで)で使われているドライバ(GPSDRVR.EXE ver.2.0 β3:NIFTY/FGPSのライブラリで配布)を用い、ZDAコマンドで日付・時間情報をM51へ送りDGPSの実験を行った。<この件ではアルプス社小林一英さんには大変お世話になりました>
    ■接続
      M51 ==RTCM==> PC[COM1]=GPSDRVR[チェックサム検証]=PC[COM2] ==RTCM==> ジュピター[DB9(A)]
      M51 <==NMEA== PC[COM1]=GPSDRVR[ZDA追加 ]=PC[COM2] <==NMEA== ジュピター[DB9(A)]
    ■表示
      プロアトラス98のGPSドライバ選択で、標準のドライバの代わりに、このGPSDRVRを指定することで、プロアトラス98でDGPS補正がされた位置表示が出来る。また、ドライバの操作パネルでRTCMやNMEA、誤差等の情報が確認でき、RTCM/NMEAのモニタとして便利だ。
    ■DGPSの効果
      実験場所はビルに囲まれた賃貸マンションのため、マルチパスのために測位誤差が著しい。DGPSを用いてもマルチパスの影響が出てしまうためだろうか、直線的な誤差分布になるのが面白い。ただ、直線的な帯状誤差は長さは200mほどに及ぶものの幅は20m程度で、DGPS補正の効果が伺える。
 M51を用いたが、他のDGPSレシーバでも可能だろう。特にZDAコマンドで日付・時間情報を送らなければならないDGPSレシーバを使う際は、アルプス社のGPSドライバGPSDRVR.EXEをは有効だ。現在はシリアルを2系統必要とするが、シリアル1系統で使えるようにドライバが開発されており、期待される。
 アルプス社のインターネットによるDGPSサービスも容易に使えるので、DGPS補正を念頭に置いたパソコンGPSの場合、ジュピター+プロアトラス98(GPSDRVR.EXE)+インターネットorDGPSレシーバは良い組み合わせだろう。



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