☆空気がもてる水の量とは
空気の中には水蒸気が含まれています。
1m3の空気の中に2〜25g程度含まれています。
空気の重さは1m3で1kg程度です。
重さの割合で0.2〜2%程度
空気中に含まれる水蒸気の量は温度によって変化します。
温度が高くなるほど水蒸気をたくさん含むことができます。
20℃の空気は17.3gの水蒸気を持てることができます。
10℃の空気は9.4g、0℃の空気は4.85gの水蒸気しか持つことができません。
20℃の空気があるとして、水蒸気はもてる量の半分8.65gだとします。この状態を相対湿度50%
いつも湿度☆☆%と呼んでいるのはこの相対湿度のことです。
また、空気中に実際に入っている水蒸気の量を絶対湿度といいます。
単位はg/m3 1m3の空気中にどれだけの重さの水蒸気が入っているかを示しています。
この空気は単純に温度20℃、湿度50%と表現されます。
今、20℃・50%の空気が何かの理由で急に冷やされると、この空気がもてる水蒸気の量は小さくなり、ついに水蒸気が一杯になった状態を飽和状態と呼びます。相対湿度は100%となります。
また、飽和状態になったときの温度を露点温度と呼びます。
20℃・50%の空気は8.7℃まで冷やされると飽和状態になり露点温度は8.7℃となります。
この空気がさらに冷やされると水蒸気は持ちきれなくなって外にでてしまいます。
これが結露の始まりです。
もし、この空気が5℃にまで冷やされたとしたら、5℃の空気がもてる水蒸気は6.8g/m3 です。
(8.65g/m3−6.8g/m3) 1.85g/m3 が結露になってしまう計算になります。
冬季における居間では、暖房が開放型の石油ファンストーブで、1時間に0.4リットルの灯油を使用したら、水蒸気は1時間に450g発生します。洗濯物2kg(30%の水分をもつ)を干し、1時間後50%乾燥したら約300gの水蒸気が発生する。合計で1時間に750gの水蒸気の量になります。
居間の温度を20℃に保つとすると、そのときの飽和絶対湿度は14.8g/kg(比容積0.85m3/kg)となり、居間が4畳半で、約17.5m3の気積と仮定とすると、この居間の飽和水蒸気量は約300g(=(14.8÷0.85)×17.5)となります。
この条件で1時間に750gの水蒸気が発生し始めると、居間の湿度が上昇し、飽和します。この居間の飽和水蒸気量は約300gなので、差し引いた450gの余分の水分が1時間の間に居間のどこかで結露することになります。
いったん居間が飽和してしまうと、以後の水蒸気発生はすべて結露します。
その量は、1時間ごとに750gづつ結露してゆきます。
そこで換気が必要
この結露を防ぐためには、換気で外へ水蒸気を排出します。
居間の飽和水蒸気量が約300g 換気回数1時間に1回で排出できる水蒸気量は最大でも300gしたがって、1時間に2.5回(750÷300=2.5)以上の換気が必要である。
これだけの換気をすれば結露は生じないが、居間の湿度は100%の状態に保たれたままであります。
この居間の相対湿度を50%に保つためには、居間の飽和水蒸気量の50%の150gが気積に含まれていることになり、外気との換気で水蒸気発生量750gを排出するためには1時間に5回(750÷150=5)以上換気しなければなりません。
昔の住宅と現代住宅
徒然草の一節にに「家の造りようは夏を旨とすべし」と言われるように、昔の日本の住宅は夏の高温多湿に対処するために、屋根は庇の深い萱葺きや瓦葺きにして、直射日光を遮断しながら開口部を大きくとって通風をしていました。
木材で作られた戸などの建具の隙間が大きく空気の流通があり換気は気にする必要はありませんでした。また、室内で水蒸気の発生があっても結露はおこりませんでした。
ところが、住宅用アルミサッシの普及で住宅の気密性が高まり、室内の水蒸気の発生で室内は高湿になり、低温部で結露する現象がおこってきました。
住宅を材料別に分けると木・コンクリート・鉄に分けられます。
昔の住宅の流れをくむ土壁等を多用した湿気容量の大きい木造住宅は、家全体に吸放湿材料が多く気密性も高くないので冬型結露は起きにくいですが、最近の木造住宅は大手のプレハブ住宅と同様に、開口部にアルミ建材の採用により気密性が向上し、吸放湿性の少ない建材を多用するようになり、冬型結露が起こりやすい状況になっています。
コンクリートの住宅は熱容量が大きいため表面温度の変化が緩慢で、間欠暖房をする習慣の日本では、冬型結露が起こる確立が高くなります。
鉄は外気への放熱速度が早く、断熱の不足した鉄骨に接触している個所があれば、その室内側表面で結露が発生します。
住宅全般には、布基礎が普及していることによって、住宅内の温湿度環境が床下の地温や土壌水分に大きく影響され、アルミサッシが普及していることにより、一旦発生した水蒸気が外に逃げにくいため昔より結露が起こりやすい状況であるといえます。
それぞれの材料面が一様な温度であれば結露するときは全面的に発生しますが、現実には部分的に結露するのが一般的で、それは室内に面した各材料の表面温度分布のムラによるところが大きいと言えます。また、表面温度に関係するのは外部条件だけでなく、それぞれの材料の断熱性能・熱容量・内部熱伝達・輻射・熱橋等関係するものが多いと言えます。
暖房室と非暖房室
住宅内に暖房室と非暖房室があると、暖房室から非暖房室へ熱と共に水蒸気が移動し絶対湿度は平衝していき、非暖房室の相対湿度は高くなり、また、温度も少し高くなりますが、壁は低温状態が続くので、特に外壁の室内側表面に結露の起こる可能性があります。
居間は住宅の中でよく使われる空間であり、冬は暖房室となります。生活による水蒸気の量が多いと排出に特別な換気を考えなければなりません。特に気密性が高いとその必要があります。
省エネルギーの立場からだと換気回数は少ない方がよいので、必要最小限の水蒸気の発生量にすることです。
開放型の石油ストーブに沸騰したヤカンをそのままにしておいたり、室内で洗濯物を干したりと、過剰な水蒸気を発生させる場合は換気対策が必要となります。部屋を閉切り、換気をしないで暖房を止めると暖房室の温度が下がり、湿気は外に出にくくなるので相対湿度が上がり結露の可能性が高くなります。
表面結露は室内外の温度差が大きい場合より、部屋の温度が低く、相対湿度が高い場合の方が影響が大きいと言えます。
結露の種類
住宅の結露は、表面結露(見える部分)と内部結露(見えない部分)の二つに分けられます。
表面結露・・・部屋の内臓材の表面に起こる結露
室内表面結露は間仕切壁には見られず、主に北側外周壁室内表面に発生します。
結露発生は窓面が多く、次に押入れ、部屋別では水蒸気の発生の多い洗面所・浴室・台所等に多く見られます。
一般的には断熱性能の低い金属性やガラス・薄厚木材でできている玄関ドアは結露しやすい。
特に部屋の隅や家具裏は空気が停滞し温度が低くなるため結露が発生しやすくカビの発生が起こります。
暖房室よりも相対湿度が高くなりやすい非暖房室の方が結露しやすい。
これらの結露は結露水が透明のため、日常生活の中では見過ごしやすく、カビの発生で気づくことになります。
内部結露・・・壁の内部や天井裏・床下など見えない部分で起こる結露
内部結露は壁体内や小屋裏へ水分(湿気)が侵入し、材料の冷たい部分に凝結することによって発生します。
この水分が長期に保存されると、カビの発生や材料の劣化を伴ってきます。
内部結露は、湿気の侵入経路を断つことと、湿気を蓄積させないように逃がす工夫が必要です。
なぜなら、建築部材の中で完全に湿気を遮断できる密閉空間を作ることはほとんど不可能であり、ある程度の
湿気は侵入すると考えた方がよいからです。
外装表面結露は、住宅の屋根や外壁の外装材表面に付着する結露のことです。
住宅の外装表面は、夜間に材料は夜空に向けて熱を放出することから外気の空気温度よりも低くなります。
このため特に冬期には、屋根は冷えやすく大量の結露によって氷の層ができます。
特に冬期の朝によく見られる現象です。特に北面や西面の外壁は、軸組み部分等だけが浮かぶ現象が現れます。
これは軸組みや間柱等が室内の温度の影響を受けやすい為、結露が発生していないか、結露量が少ないため模様となって現れます。この結露は昼近くまで付着して乾かないことがあります。
屋根面は、さらに結露がひどく氷の層となっている場合もあり、上に向いているため天候が良ければ早く乾燥します。
これらの結露は、昼までには乾燥するので被害を伴うことはないと言えます。
今のところ、この外装表面結露を防ぐ方法はないと言ってもいいくらいです。それは住宅の高断熱化が求められていることです。
外壁の断熱性が高くなるほど外装表面結露は出やすくなるからです。
しかし、庇の下はほとんど表面結露しないことから、住宅に大きな庇がある場合とない場合ではかなり違ってきます。
外装表面結露に対する策は・・・外装全面に均一な結露を発生させることです。
外装材に断熱性の大きな材料を用いるか、熱橋(軸組部等の断熱強化)対策をすることだと言えます。
冬型結露
室内空気が露点以下の冷たい部分にふれることで発生する。
特に結氷する寒冷地域では壁内部等に発生した結露水が凍り、蓄積されて、春先にな溶け出して大きな被害となって現れます。
夏型結露
外気に含まれる多量の水蒸気が屋内の低温部分にふれることで発生する。
梅雨時期には水蒸気が飽和状態になり、気温20℃前後で高温状態なので15℃前後の物などには結露します。また、外気に含まれる水蒸気が多量のため一旦結露が発生すると冬の結露よりはるかに結露水量が多くなります。それに温度が高いのでバクテリア・真菌の発生に最適な条件となり被害が大きくなります。また外壁は、外壁構成材料からの日射による放湿によって、室内側で結露も発生します。
また、常識的に結露はほとんど冬に発生します。
床下の結露
床下空間は地温の影響を受けるので、住宅内の温度環境と異なり、外気とも異なります。昔の住宅のように周囲も束建てになっていた床下は、常に外気が流入・流出して外気と同じ温湿度になっていました。
布基礎になると床下換気が不十分になり、外気温と室内気温との中間になり、変動の少ない温度となります。
しかし、土壌の上に防湿処理がなければ・・・土壌中の水分が多いと床下に蒸発して、床下の相対湿度が高くなります。そうなると床下の鋼材は錆・木材は含水率が高くなりカビや腐朽菌に侵されたり、白蟻の食害にもあったりします。
壁の結露
室内外の温湿度勾配に従って熱および水蒸気は流れます。
冬は常に建物内部から外気に向かって流れます。この途中に露点温度以下のところがあれば結露します。
コーナーは壁面の交差するところで、ディテールによっては断熱性の弱点となり、隙間があり外気が侵入すれば結露の可能性があります。壁の隅角部では、空気がよどみやすく空気の持つ熱が壁表面に伝わらず壁表面温度が低く、2次元・3次元の熱流となり放散される熱量も大きくなり、他の表面部に比べ温度が2〜3℃低くなります。
また、家具裏の壁面は家具の熱抵抗が大きいので、空気がよどみやすいので対流による熱伝達がなく、壁室内側表面温度が低下し、水蒸気だけは供給されるので、結露が発生しやすくなります。一旦結露が発生すると結露した水を乾燥させるエネルギーを与えない限り結露は増大することになります。
屋根の結露
小屋裏は空気層になっているので、天井の断熱効果のため冬期は室温より温度は低い。
天井に防湿層がないと小屋裏の絶対湿度は室内と同じになり、結露しやすくなります。
各室の天井に防湿層を造っても、壁内部の隙間を伝わり小屋裏へ水蒸気は供給されるので換気は必要となります。
天井をなくせば、小屋裏はなくなり屋根裏面が直接天井となります。そのときは屋根裏面を断熱し、その断熱材の表面を防湿シートで水蒸気を遮断しなければなりません。また壁内部から侵入してくる湿気も排出しなければなりません。
特に金属屋根の場合、小屋裏の換気が適切でなければ、屋根裏面で結露します。
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