<粉砕を使用すると不良率が高くなる?>

 確かに粉砕を使用すると計量がバラツキやすくその結果ショートやバリの発生につながると当社では考えています。これは粉砕の粒がバージン材のように均一でないために、粒の大きい粉砕は普通のホッパードライヤーでは乾燥が充分に出来ないために樹脂の溶融状態が不均一になり、その結果、成形が不安定になると思われるからです。しかし小さな成形屋でもお金をかけないでできる解決策はあります。

 

    <立ち上げ時はショートショットからスタート?>

そんな昔の話は知りません(笑)。現状、当社では初物、試作以外では過去の成形条件を設定して、そのまま成形をスタートします。ショートショットからは始めません。なぜなら成形条件さえベストならオーバーパックにはならないからです。

 

    <ロングノズルについて>

ロングノズルは不良発生ノズルである(笑) こんな事例がありました。PPSのコネクターですが、バリとヒケのイタチゴッコで困りました。ヒケを直すとパーティングにバリが出てしまうし、バリを直すとヒケます。ハナタレもしますし、先端の温度を下げると射出しません。温度設定が微妙でノズルバックすると詰まるか垂れたものがダンゴになるかです。もちろんヒートアップ時にたとえば300度にしておくと分解して煙だらけの工場になっています。 対策として、条件そのままでスタンダードノズルにしました。 するとそれだけでそれらの問題は解決してしまったのです。 別の事例として難燃性のナイロンの製品がありました。もともと異物(カーボンだと思います)ショート、流れ異物、バリで悩んではいました。しかしそこそこな条件は出ていて、それなりに成形をしていたのですが、たまたまその一つ前の製品を成形するのにはロングノズルでないと届かないものですから、ロングノズルそのままロングノズルで成形を開始したんです。ところがどうやっても先ほどの問題が異常に多く発生して、検査課からも悲鳴が聞こえます。結局1日半分は廃棄処分にしました(T T)  しかたなく重い腰を上げてスタンダードノズルに戻しました。・・・ウソのように安定しちゃいました(汗)。結論としてどうしてもロングノズルでしか成形できない以外はスタンダードノズルで成形した方が得だと思われます。逆にそういう金型は作って欲しくないですね(^_^;)

 

    <目先の工夫でなく全体を見た工夫を>

たしかにスプールランナーは小さい方が材料は無駄にならず、全くもって結構な話ではあります。しかし<ロングノズルについて>で考察したように、そのためにロングノズルを使わなければならない金型を作ってしまうと恐らくは結果として不良品率があがります。そうすると検査の手間が増えてしまい、会社全体の利益からしてみればかなり高上がりな製品になってしまうと思います。その部署、部門でなく、全体的な視野にたって工夫、マネージメントするのが肝要と思います。

 

    <ガス抜き成形>

 薄肉な長物でどうやってもガス焼け、ショート、入ればバリといった製品があります。幅広くパーティングにエアベントを取れば解決すると思いますが末端の下請けでは
勝手に型をいじれません。得意先に提案すると、バリが出るとだめだからいかん、と、やってもらえないことが多々あります。。。そこでしかたなくワザを使います。ガス抜き成形です。サーボと油圧では動作勝ちがいますので詳しくは各メーカーさんに聞いてください。ガス抜き成形で条件を出しますと、圧はかなり低くても充填できます。 バリは出ないように条件を整えます。スピードが出ます。結果的に金型に優しい条件になります。条件的にはコンマ台での時間設定になるかと思いますが(当社は40-60tです) やはりサーボの方が安定した製品ができます。なお、ベント加工してあっても不十分で困っていた場合、ガス抜き成形をしますと、ガスがスパッと抜けた跡が見られる
ようになります。ただスライドが2方向にあるような製品ですとあまり効きません。というか、効かせるとバリがでちゃいます。ただ、本来は金型で直すべき事だと強く主張します。これはあくまでも成形屋の最後のワザなんです。そこのところよろしく御願いします。