右脳俳句パソコン句会 6月例会(3)





       
綱引き
 



053: ネクタイの固き結び目四十雀 由人


*四十雀の胸には黒いネクタイをしたような模様があります。そこからの発想 でしょう。 /せいち

054: 雨しずく紅の皐月に夕日充つ 文雄



055: 山頂にケルンや軽石ひとつ積み 龍夜


*軽石は火山の産物。二年前の御嶽山噴火の悲劇を思い出しました。「ひとつ 積み」の下五は、「一重つんでは父のため、二重つんでは母のため・・」とい う「賽の河原地蔵和讃」の一節に通じてケルンが災害に遭った方への供養であ ることがうかがわれます。 /舞九 -山登りはしませんので、テレビで見ながら登った気になっています。石をひ とつ、丁寧に置くのですね。指が見えてきます。 /都

056: 少年の瞳に映るほたるの火 馨


*今の子供は、いや親もほとんどの人が蛍を見たことがないかもしれません。 それほど蛍は少なくなりました。この句、少年の瞳に映った蛍はきっと生涯忘 れられないものとして、記憶に残るのではないでしょうか。我が家の孫にも蛍 を見せてやりたい、と思います。 /靖子

057: 何時の間に田植笠消えにけり 百桃



058: 風薫る駄馬も駿馬も脚四つ 馨


-「駿馬毎に痴漢を駄せて走り、巧妻常に拙夫に伴うて眠る」「千里の馬は常 に有れども、伯楽は常には有らず。」小生に、この句に○を付ける眼力は無い。 /日常 *その通りなんですが・・季語でこの句の爽やかさ、牧場を走り回っている馬 はみな同じということを感じ取れます。 /智子 *風薫るが何ともさわやか。駿馬も駄馬も単に個性の違いかも。 /葦

059: わたくしに古びし背骨竹の皮 靖子


*「竹の皮」が前の5・7を更に引き立ててます。上手いなあ! /春甫 -友人が化膿性脊椎炎を患ったので気になった句。「竹の皮」は「竹の皮脱ぐ 」としなくても「季語」なんですね。 /日常 *取り替えたいものです。 /茉胡

060: 立葵励まし甲斐のある少女 葦


*先ごろの卓球世界大会を詠まれたのでしょうか?日本の少女が世界の檜舞台 で活躍する姿、立葵の花のようにのびのびと美しく溌溂としてTV桟敷で思わず 大声で応援してしまいました。 /枯露柿 *前途洋々たる未来があります。 /茉胡 *季語は「立葵」。中立的な季語の効果的な使い方かと。 /のそう *立葵に託した思いが伝わります。少女の健気さと力強さも感じます。こうい う句も好きです。 /都

061: 表札の草書の字体多佳子の忌 春生


*楷書だけでもいろんなフォントがあって受ける印象がかなり違います。まし て草書ともなれば書家の書いた芸術的なものでしょう。女流の中でも多佳子は かなり品格のあったひとのようですね。 /龍夜 -橋本多佳子の句の詳細を識る読み手には良い句なんだろうと推測しています。 /日常 *上五の草書が、近ごろ見かけぬ風景草書からくる、その家の人々の生活が見 えるよう。 /六合 -季語は「多佳子の忌」。草書の字体にハッとした。 /のそう

062: 点滴に映るなか空五月晴れ 日常


*季語がやや強いですが、口調が良いですね。 /たかほ *点滴と五月晴れの二物衝突がいいです。 /馨

063: 掻堀やカミツキガメの長き首 舞九


*町内会のかい堀なんでしょう。色々な動物が見つかる。この時はカミツキガ メだ。うっかり捕まえると噛みつかれてしまう。それにしても元気が良い亀で す。 /由人

064: 建前の大工呟く芒種かな 優


*一句一章の句として面白いですね。季語も活きてます。 /たかほ

065: 青空を背負って昇る雲の峰 熊谷邦雄


-季節としては6月の句と言うよりは梅雨明けの明るい青空に起ち上る入道雲 を想像します。 /枯露柿 -青空を背負ふて昇る雲の峰 /六合

066: 麦秋のやさしき風の中に居り 茉胡


*麦が実る5月下旬から6月初旬は、さわやかな風が吹き渡り、一年でもっとも 心地よい季節です。その風の中に身を置く作者の気持が、肩肘張ったところが 一つもない言葉遣いから伝わってきます。 /舞九 -至福のひとときですね。 /春生 *中七の「やさしき風」と言うと、普通は冗長的に感じますが、この句では、 これがいいですね。 /都

067: 蛇皮を脱ぐ東芝の社屋の灯 日常



068: かたつむり急いでゐるのかも知れぬ せいち


*そうかもしれません。そんな事を思うのも苦労してきたからかもしれません。 /龍夜 *人も同じです。見た目では判断できぬものです。 /文雄 -ルナールの博物誌か・・・・・。と想わせる句。 /日常 *庭の植木や塀などをノソノソとはい回るカタツムリ、人間の眼からはのんび りとした光景ですが、カタツムリ自身は案外一生懸命急いでいるのだろうか、 ユーモアたっぷりの楽しい句です /枯露柿 *蝸牛の行動は普通の人には判らない見る人の主観だ /桃流 *カタツムリをじっと見ている、その観察力を詠む心根に拍手 /六合 -共感の句・・どんなに急いでも急いでいるようには見えないせつなさ・・ /智子 *殻から身を出して這っていくのを見ると、かたつむりにも何か事情があるの かしら、と思うことがあります。作者のかたつむりに対する優しさを感じ、共 鳴しました。 /靖子 *季語は「かたつむり」。ユーモラスですね。勝手な推測ですがユーモアがあ ると思いました。 /のそう *俳諧味溢れる一句と思いました。中七から下五にかけての「ゐるのかも知れ ぬ」なんて、少々とぼけていいです。 /都

069: 豌豆むく愚痴をほどよく受け流し 文男


-よくある光景なんでしょうが、納得です。心温まりますね。 /春甫 *なるほど!!日常よくあることが、旨く表現されていると思います。 /文雄 *そう、生活の知恵ですね。強かさでもある。 /日常

070: 諍いや夏帽子もて風招く 禄壽


*詠み人は諍いをする本人でしょうか、仲裁をしているのでしょうか?「頭を 冷やせ!」と言う声が聞こえて来そうです。 /枯露柿

071: 忘れ物駅に残りし夕薄暑 優


*中七の「残りし」と季語がうまいですね。 /たかほ

072: 時の鐘巡り疲れてかき氷 熊谷邦雄


-語順がもたらすリズム感がどこか心地よい。 /日常 -季語は「かき氷」。時の鐘の無情。 /のそう

073: 夏蜜柑酸いも甘いも知る齢 優



074: 夜の蟻ぶつかりあひて蠢(うごめ)けり 六合



075: 祭り果て鳩の群れする朝かな 枯露柿


*祭りの後片付けをしてくれる鳩に感謝ですね。色んな餌が落ちてるんだろう なあ・・・。 /春甫

076: ノックに覚むる介護の仮眠明け易し つね子


*上五の字余りのゆっくりした口調が病人の介護に当たる人の張り詰めた気持 ちを示唆するのにむしろ効果的かもしれません。 /龍夜 -身につまされる一句です。だんだん後がなくなってきました・・・。 /春甫 *介護生活を終えて、我が身の老いの深さを痛感する。介護時故の気の張りが 保たせていた「あの若さ」が、今は、懐かしい。 /日常 *介護する人の大変さ、そんな人を応援する意味からも、字余りだが良しとし たい。 /せいち *近親の方の介護に付き添い仮眠中の作者であろうお大事にと言おう /桃流 *介護者の大変な様子をあらわした句です /優 *介護の仮眠ご苦労さまノックには敏感ですね /百桃 -お疲れ様ですと言いたいです。無理しない様にと言っても、そういう訳には いかず。体験を思い出しました。 /都

077: 青蔦やコンクリートの打ち放し 由人



078: 青芝へ斜(はす)に切り込む夕陽かな たかほ


*夏の夕日の力強さを感じる。 /馨 *西日が一直線に指して来るのが見えます。一瞬を切り取って、青芝の青に日 の光の輝きが鮮烈です。 /都



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